ダメアルよ

そこは荒廃とした街の中だった

とても人間とは思えないスピードとジャンプで男は逃げている

姿は見えないが、確実に追ってとの差は縮まっているようだ

「まずい」

そう直感した男は、目の前の街頭の上まで一気に跳躍した後

その先に広がる混沌とした海へダイブした


・・・ダイブしたはずだったが、何故か周りは白銀に輝く雪原地帯だった

「ここは・・」

そう思い、雪を踏みしめ歩く男は

いつの間にかムーミンの姿になっていた

ミスマッチも程ほどにしろというような情景である

と、そこへスナフキンが現れ

「やぁムーミン、今日もよい天気だね」

と、いや雪積もりまくってるじゃん？というツッコミをして欲しいのか

とてもにこやかに話しかけてきた

「そうだね、アンドリュー」

スナフキンではなかったらしい

そしてムーミンとアンドリューは暫し一緒に歩いていたのだが

気づくとアンドリューの姿が見当たらない

「あれ？どこ？」

そう呟くムーミンの声が、深々と降り続ける雪の中に響き渡る

と

突如、雪が沸騰したかのように蒸気に化け

ダイブしたはずだった海の中へと戻ってしまった

その容姿とは裏腹に、意外に泳ぎが得意なのか

ムーミンは秋刀魚と思しき魚と一緒に泳いでいる

がしかし、追っ手はまだ来ているようだ

短い足を必死に動かし、秋刀魚と同じスピードで泳ぎ続けるムーミン

どれ位泳いでいたのだろう、体は軋み、体力も限界だ

「もうダメアルよ・・」

突如、変な中国人の様なしゃべり方になったムーミンは

思い切って海面まで浮上した

そして・・・・・・・・








と、ここで目が覚めました('～')